説明文の授業の流れ

教育

みなさん、こんにちは!あいぽんです。

国語指導、第5弾です。前回読んでいただいた方ありがとうございます。

今回は、説明文の授業の流れを解説していきます。

効率よく、そして効果的に教材研究を進めるためのヒントや、指導力を高める方法をお伝えできたらと思っています。みなさんのお役に立てれば嬉しいです!

はじめに

前回紹介した系統性を意識した授業の流れを紹介していきます。

もし、まだ『国語の力を伸ばす!低学年から高学年までのスキル積み上げ法(説明文)』を読んでいない方は、ぜひ読んでみてください。系統性が頭に入っていないと今回の授業の流れがわからないと思います。

国語の力を伸ばす!低学年から高学年までのスキル積み上げ法(説明文)
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では、進めていきましょう!

説明文の基本的な流れ

系統性を意識した授業が6年生までしっかりと行われている場合を前提にお話しします。

説明文を読む際に、子どもたちが自分でできるようになる手順は以下の通りです。

  1. 形式段落に番号をつける
  2. 各形式段落の要点をまとめる
  3. 頭括・尾括・双括のどれに当たるのか考える
  4. 文の構成を分析する
  5. 要約する
  6. 要旨をまとめる
  7. 筆者の考えに対する自分の意見を書く

授業では、まず①〜④を確認し、文章の中でどのような工夫がされているのかを考えさせます。また、教科書にある「深めよう」といったコーナーを活用し、子どもたちと一緒に掘り下げて考える場を設けると良いでしょう。

6年生の最終段階では、これらの手順①〜⑦を自力でできるようになるはずです。ただし、これはあくまで各学年での積み重ねがあってこそ可能になるものです。

5年生 光村図書 『見立てる』

5年生で学習する『見立てる』を使って、実際に学習手順を進めてみましょう!

まず、文章を形式段落に分けます。
『見立てる』には、全部で①〜⑥の形式段落があります。
(形式段落は、文の最初が1マス凹んでいる箇所だと子どもたちに教えましょう。)

次に、それぞれの形式段落の要点をまとめます。
要点とは、形式段落ごとの一番大事な内容を表す1文のことです。

①私たちは、知らず知らずのうちに、「見立てる」という行為をしている。

②あや取りで作った形と、その名前でよばれている実在するものとが結び付けられたのである。

③その土地の自然や人々の生活のしかたによって、結び付けられるものが異なるからだ。 

④それぞれの土地の生活とよりかかわりの深いものに見立てられた結果といえる。

⑤カナダでは、同じ形に対し、真ん中にあるトンネルのような部分が家の出入り口に見立てられ、「ログハウス」(丸太を組んで造った家)などという名前がつけられている。

⑥見立てるという行為は、想像力に支えられている。そして、想像力は、私たちをはぐくんでくれた自然や生活と深くかかわっている。

次に、この形式段落から筆者の考えや主張を見つけます。
今回の場合、筆者の考えは①と⑥に書かれています。筆者の主張が初めと終わりに書かれているので、これは「双括」といいます。形式段落の要点を整理することで、文章全体の構成が見やすくなります。

また、要点がわかりにくい場合は、主語に注目すると理解しやすくなります。詳しい学習方法については、『白石範孝の国語の技術』を参考にすると良いでしょう。

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さらに、要約してみましょう。

要約とは、要点をつなげた文になります。

「見立てる」では、互いに関係のない二つのものを結びつける際に想像力が働いています。あや取りの形が実在するものと結びつけられる例や、土地ごとの自然や生活様式によって見立てが異なることが紹介されています。たとえば、カナダでは、あや取りの形がログハウスに見立てられています。このような「見立てる」という行為は、私たちの想像力と、自然や生活に深く根ざしているのです。

「見立てる」という概念について、要旨のまとめ方を練習してみましょう。

要旨とは、筆者が文章中で取り上げている内容の中心となる事柄や、それについての筆者の考えが中心となる事柄です。文章全体をまとめている段落に表れることが多いです。

「見立てる」では、要旨をまとめるまで求められていませんが、ここでこれを理解することで、次のステップである「言葉の意味が分かること」に繋がります。

たとえば、「見立てる」についての要旨は以下のようになります。

要旨の例:
私たちは、知らないうちに「見立てる」という行為をしています。そこには必ず想像力が働いています。その想像力は私たちが育んできた自然や日々の生活と深く関わっています。

この要旨は、筆者の考えを反映しています。特に、文章の冒頭(①)と最後(⑥)から筆者の主張を持ってくると、次のようにまとめることができます。

形式段落の要点の筆者の主張・考えを持ってきます。
①「私たちは、『見立てる』という行為をしている。」
⑥「見立てる行為は想像力によるものであり、その想像力は自然や生活と深く関わっている。」

これらをまとめて一つの要旨にすることができます。そのまま繋げても問題ないと思います。

系統的なスキルが身についていると、このような流れで授業を進めていくことができます。また、それぞれの学年のスキルが身についていると最終的には6年生の段階で自力でここまで学習することができるのではないかと考えています。

まとめ

これまでの学びを活かし、5年生からは「見立てる」という文章を題材に、授業の流れを見ていきました。授業では、形式段落に分け、要点をまとめることからスタートし、最終的に「要旨」を導き出すことを目指します。要旨とは、筆者が伝えたい最も大切な部分を簡潔にまとめたものです。子どもたちがこれを自分で導き出せるようになると、文章全体の理解力が一段と深まります。

具体的な授業の流れとしては、まず形式段落に分け、段落ごとの要点を確認し、筆者の考えをどこから読み取るか探ります。たとえば、「見立てる」では筆者の考えが最初と最後に書かれているため、それをもとに要旨をまとめていきます。このようなプロセスを繰り返し練習することで、自然に要旨をまとめる力が身についていきます。

最終的には、6年生の段階で自力で要旨をまとめ、文章全体をしっかりと理解できるようになることを目指しています。これまで積み重ねてきたスキルがここで活かされることでしょう。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!皆さんの授業に少しでも役立てれば幸いです。今後も、より深い学びや実践的な授業の進め方についてお伝えしていきますので、ぜひ次回もお読みいただければ嬉しいです。

もし質問やご意見がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。皆さんのお役に立てるよう、今後も引き続きサポートしていきます。

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