みなさん、こんにちは!あいぽんです。
国語指導、第6弾です。前回読んでいただいた方ありがとうございます。
今回は、文学教材(物語)の授業の流れを解説していきます。
効率よく、そして効果的に教材研究を進めるためのヒントや、指導力を高める方法をお伝えできたらと思っています。みなさんのお役に立てれば嬉しいです!
はじめに
前回紹介した、系統性を意識した授業の流れについてお話しします。まだ『国語の力を伸ばす!低学年から高学年までのスキル積み上げ法(説明文)』を読んでいない方は、ぜひご覧ください。系統的な学びの考え方を理解しておくと、今回の授業の流れがよりわかりやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
では、進めていきましょう!
物語文の授業の進め方
①単元のめあてを確認する(大きな目標を立てる)
②読後感を書く
③単元の計画を立てる
④場面の設定、登場人物、登場人物の関係図を整理する
⑤中心人物とクライマックスを確認する
授業では、まず①~⑤を確認し、単元計画に沿って単元のめあてをクリアできるようにします。6年生の最終段階では、④と⑤を子どもたちが自力でできるようになることが目標です。しかし、これは各学年での積み重ねがあってこそ実現できるものです。特に④と⑤が自力でできるようになると、授業時間も大幅に短縮できるでしょう。
読んでいて「ん?」と思われた方もいるかもしれませんが、①の「読後感」については次の章で説明します。
読後感とは?
物語を進めるときに、子どもたちに初めの感想を書かせることはありませんか?感想を書かせた後、それをもとにお互いに読み合ったり、単元計画を立てることはありませんか?
正直、これらの活動がどのように効果的か、あまりよくわからないと感じていました。何か良い進め方はないかと探していたところ、同じ悩みを持つ方に出会いました。それが、当時、筑波大学附属小学校に勤めていた弥延さんでした。
彼は講演会で、初めの感想は交流に時間がかかり、全員の感想を扱うには時間が足りなくて困っていると話していました。この問題を解消するために、彼は「読後感」という取り組みを行ったそうです。
では、「読後感」とは何でしょうか? 読後感とは、作品を読んだ後に書く感想のことです。初めの感想と同じだと思う方もいるかもしれませんが、少し違います。読後感では、初めの感想を一言でまとめ、それを黒板に書いていきます。全員の読後感を出し合った後、なぜその感想になったのか理由を質問し合い、交流を深めます。
この「読後感」の具体的な進め方については、別の記事で詳しく紹介しますので、ぜひそちらもご覧ください。
単元計画を考える
単元の始まりには、この単元の目標を確認します。(ここでは「大めあて」と呼びます。)
次に、読後感を交流した後、大めあてを解決するために、その読後感をもとにグループで3つほど話題を考えます。グループで話し合った話題を全体で共有し、単元計画を立てていきます。
グループで話し合う際は、物語の流れを意識して、話を時系列に並べるように声をかけると良いです。こうすることで、物語の展開に沿った単元計画を作成できるようになります。
場面の設定・登場人物・登場人物の相関図
場面の設定・登場人物を確認します。
場面の設定…時間と場所
時間と場所を確認することで、物語の設定を理解することができます。設定を理解することで、場面を区切ること・場面の展開・全体の構成を見ることにつながります。
登場人物…劇で演じる者・役があるものが登場です。
中心人物・クライマックス(山場)の確認
次に、中心人物・クライマックス(山場)を確認します。
中心人物については、【国語の系統的学習】低・中・高学年で身につける読解力のステップアップ法の中学年で紹介しています。ぜひ、読んでみてください。
単元計画を進めていく
ここまで確認したら、あとは単元計画を進めていくだけです。
6年生でスキルが身についていると、④と⑤は事前に宿題で考えておくことも可能です。
単元計画を自分たちで考えているので、子どもたちは意欲的に話し合いをし、自ら解決しようとします。
物語文の授業の進め方まとめ
授業を進める際には、まず単元の目標を確認し(大めあて)、読後感の共有を通じて話題を見つけ、単元の計画を立てていきます。重要な手順は以下の通りです。
- 単元の目標(大めあて)を確認:授業のゴールを共有し、物語文の理解を深めるための道筋を明確にします。
- 読後感を書く:作品を読んだ後、子どもたちに一言で感想を書かせ、それを共有し、理由を問うことで理解を深めます。
- 単元計画を立てる:読後感をもとに、グループで話題を3つほど出し、全体で共有しながら、計画を練っていきます。
- 場面の設定と登場人物を整理:物語の時間や場所、登場人物を確認し、物語の流れや構成を明確にします。
- 中心人物とクライマックスを確認:物語の重要な人物や山場を整理し、物語の核心をつかみます。
6年生では、④と⑤を自力でできるようになることを目指し、これまでの学年で積み重ねたスキルが、最終的に自立した学びを支えることになります。自分で物語を整理し、理解する力が身につくと、授業の効率も上がり、より深い学習ができるようになります。
最後に、この記事を読んでくださった皆様に感謝申し上げます。次回も引き続き役立つ内容をお届けしていきますので、ぜひまた読んでいただけると嬉しいです。もし質問やさらに知りたいことがあれば、いつでもお気軽にご連絡ください。
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